靴下辞典

裏糸の存在

そして一般の方があまりご存知ないこととして、靴下には「裏糸」とよばれる糸を同時に編みたてているということがあります。
靴下はTシャツなどと違い、足にしっかり、あるいはやさしくフィットしなければならない。という使命があります。
たとえば、綿100%の糸だけで靴下を編んだ場合、あまりフィット感のない製品になってしまいます。
逆にいえば綿100%の糸だけで違和感なく履いていただける商品を編む技術はとても高度な技術だということになります。

したがってタビオの製品でもほとんどの商品には、ナイロン、もしくはナイロン・ポリウレタンといった「裏糸」が一緒に編まれています。(素材表記に記載されています)

ナイロン・ポリウレタンとは、とても伸縮性のあるポリウレタンという糸に補強のためナイロン糸をカバリング(ポリウレタンをナイロンで巻いている)した糸のことで、この糸を一緒に編むと伸縮性にすぐれた靴下ができあがります。
また、ポリウレタンの太さを変えることによって履き心地、フィット感が大きく変わるため、タビオのものづくりにおいてはとても重要な要素になっています。

では、裏糸がナイロンだけの場合はどうかといいますと、ポリウレタンほどの伸縮性がないため製品でもあまり伸び縮みしないものになりますが、仕上がりをパリッと見せたりメッシュ目を表現したい場合には裏糸ナイロンのほうが適しています。

また、靴下はとても過酷な条件で使用されるため、カカトやつま先部分に補強糸としてナイロンを多く編みこまれた製品もあります。
足底やカカトが薄くなってきたときに残っている細い糸が裏糸です。